2019年2月10日日曜日

生まれた時を知らず、死ぬ時も知らず

ある本に「私たちは生まれた時のことを知らない、気が付いた時には生まれている」
というようなことが書かれていました。びっくりしました。
毎年毎年誕生日が来て、お祝いをしてもらったりして、生まれたときのことは知っている気分になっていましたが、本当は何にも知らなくて、”気が付いたら生まれていた”ということに初めて気が付きました。

昨年、大腸カメラを受けた時に、看護師さんの「麻酔しますよ~」という声が聞こえて、
ちょっとぼんやりしてきたものの、なかなか眠らないで、看護師さんの話す声ばかり聞こえるので、いつになったら検査が始まるのだろうと思っていたところ、
「はい、もうだいぶ眠られたからいいでしょう」と声をまたかけられて、
えっ?何言ってるのかなと思ったら、検査はすでに終わっていて、
30分ほど寝かされていたのでした。
死ぬ時ってこんな感じかもしれないなと思いましたし、
死にかかっているとは思っても、死ぬ瞬間はわからないんだと思います。

畜生や、鳥や魚より人間が上等だと思っていましたが、今という時をひたすら生きている点では変わらないと思います。
この命の背後に何があるのかわからないけれど、はっきりしているのは、今生きているということだけです。過去の記憶はどうもあやしいし、未来のことはわかりません。
はっきりしているのは、今生きているということだけだと、あらためて思いました。