昨日のことはもとより、数時間まえのことさえ憶えていなかったりする。
認知症の初期、要介護1と診断された。
なにかと手がかかり、私の日常は母の為に半分近く費やされている。
にもかかわらず、母に救われていると思うことがたびたびある。
若いころの母には感じなかったこの感情は何だろうか・・・。
私は若いころの母に似ているのか、けっこう猜疑心があり邪気の多い毎日だが、
今の母にはそれがない。母を見て微笑むと満面の笑みが還ってくる。
笑顔たいする笑顔だ。そこに救いがある。生きる気力がわいてくる。
母を助けているはずの私が、本当は母に助けられているのかも知れないと思う。