受付で名前を書くのですが、母が鉛筆をとって、さらさらと自分の名前を書いたのです。
最近はうまく書けないからと、字を書くことを嫌がることが多いのですが、
その日はためらいもなく、私の記憶では母がまだ教員であったころの、自信にあふれた字をかいたのです。
もう受付簿には20人ほどの名前が並んでいましたが、母の字が一番立派に見えました。
最近の母の字はいつも右上がりになり、字の間隔も広かったり狭かったり、
字そのものも大きかったり小さかったりと、たしかに書くのに一苦労といった感じでした。
にもかかわらずその日は、いやその日から、母は名前を書くようになりました。
宅配の受け取りはもともと大好きなのですが、準備しているシャチハタを使わず、
自分の名前を書いて受け取っています。
認知症は良くはならない、だんだん悪くなると医者から言われましたが、
はたしてそうなのかと疑問を持つようになりました。
今の状態が元に戻らないことを祈るばかりです。
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